実は、時々このブログにも登場する『第28回ボランティア・NPO研究集会の実行委員会』なのですが、本番は9月11日土曜日に開催されます。
この大会の環境部門を仕切る立場なので、一応講演会等でよく配る「レジュメ」とか云う物を作ってみました。
以下はその最後のページなのですが、あえて皆様のご批判をいただこうと思い掲載致します。
『ペットボトルキャップ運動』盛んに行われていますよね。
今日お集まりの皆さんの中にも活動されている方がおいでの事と思います。
ペットボトルキャップを回収して換金し、途上国の子供ポリオ等のワクチン購入資金とするそうです。
キャップ400個で約1㎏となり、㎏あたり約20円だとのこと。
ポリオワクチンひとり分20円なので、『捨てているペットボトルキャップ400個で一人の子供の命が救える』と云った謳い文句だったと思います。
400個集めて回収事業を推進する団体に送る送料は、送り主の負担になります。
最低の送料は、飛脚マークの某配送業者さんと協力して6㎏入る専用カートンを利用すると送料が一律420円になるそうです。
但し、専用カートンの価格は20枚セットで3,150円(離島の場合中継運賃が別途必要)だそうですから、1枚あたり約157円です。
つまり6㎏の送料は、420円+157円で合計577円です。
ですからワクチン1本分の送料はその6分の1で約96円掛かるわけです。
20円寄付するために送料だけでも、わざわざ96円掛けて都合96円-20円で76円も損をする計算になります。
しかも配送に伴う化石燃料の使用、又それに伴なう二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物その他いろいろな環境に悪いと云われている物質を生じさせます。
健康を守るはずのワクチンを送るために健康を害する物質が増大する?
少し可笑しいですよね。
そんなにワクチンを寄付したいのなら、こんな計算もありますよ
1本の金額150円(普通の場合)のペットボトル飲料の購入をやめ、この金額でポリオワクチンの対価に換算すると、150円÷20円で7.5人分のワクチンが購入できる事になります。
例えば、400個分のキャップの元は400本のペットボトル飲料ですから。
400人の人がマイボトルを使い、ペットボトル飲料を買わずに済ますと、
(400本のペットボトル飲料)×(その価格150円)+(配送費用96円)で、
合計60,096円になります。
60,096円でワクチンを買うと60,096円÷20円で3,004人分も送ることができるわけです。こういった、例えば途上国支援をひっかけたこんなリサイクル活動を、エコのすり替えと呼びます。

以上ですが、通常のエコロジーをうったえる会議にしたくないので、あえてこの様な、何でも環境保護やボランティア活動になりさえすればそれで良い、といった風潮に物申す話をしたいと思います。
尚、この活動にはさらに相当胡散臭い所があり、どう考えても限りなく詐欺に近い話も有るのですが、あえてそこまでは触れないことに致します。
画像を見ていただいても判るとおり、飛脚マークの某大手宅配業者さんまで道連れにしていますね。
このままだと、某飛脚マークさんも限りなく詐欺行為を働く集団と同一視されかねません。
でも、昨年の山梨県森林環境部環境創造課が行い私達「エコティーチャー」の研修用教材にまで、この活動がとても素晴らしい環境活動として掲載されていたくらいです。
勿論、エコティーチャーとして県担当者に対し完膚無きまで、反論を行ったのは言うまでもありません。
又、前政権与党の片割れを担いでいた某宗教団体を母体とし、環境保護を標榜する政党の支部活動実績として、この団体の片棒まで担ぎ各所公共施設に回収用ボックスを設置したと、堂々選挙用機関紙に掲載されていたほどですからねえ。
立候補されたこの政党の候補者にも反論を行ないましたが、その方にはこの問題の悪い点が理解できなかったようです。
これは一例で、他にもいろいろ仕込みがあります(笑)。
会議のネタにしたいので、この件への反論コメントたくさんください。